国語辞典よりは薄いですが、厚めの本です。
しかし厚さを感じさせない程面白かったです。
事実を基にした小説と分かった上で読み始めたのですが「え?まさかここはフィクションだよね。」と思い、ネットでその出来事等について検索すると事実であるということも非常に多くそこも面白かったです。
現在も使われている国会議事堂、あの建物建設に至るまでの長い道のり、そこに深く関わった妻木頼黄(つまき よりなか)の人生が書かれた小説です。(日本橋や横浜の赤レンガ倉庫も妻木の設計だそうです。)
以前、「東京、はじまる」門井慶喜(著)という小説を読み、東京駅や日銀を設計した辰野金吾のことを偉大な人がいたもんだと驚きましたが、違う角度(妻木側)から見ると全く違うことになっていて(簡単に言ってしまえばライバルなので)、なるほどなるほどとなりました。
と私が推したところで、なかなか実際にはこの本をお取りいただけないんだろうなぁということも分かってはおります。
何しろ1週間以上も目の前にこの本が置いてあっても見向きもしない夫といるので。
そういう私も、夫が仕事で使う道具や重機のカタログ(DMもよく送られてきます)にはなんの魅力も感じていませんのでお互い様です。
私にとってそれらは興味がないばかりか、話題にするのも恐ろしい金額の物体ですので、つまんでこっそり捨ててしまいたいくらいの冊子です。
私は建築や建築家について詳しいわけではないので、この剛心という言葉が建築用語ということも全く知りませんでした。「へぇ〜へぇ〜」と言いながら読みました。